ロートグループ 中長期成長戦略
2025~2035

当社は、当社のパーパスおよび経営理念を実現するための成長戦略
「ロートグループ 中長期成長戦略 2025~2035」および
「長期視点での成長を実現するための経営方針」を策定致しております。

     

  1. 経営基本方針

    当社の存在意義(パーパス)は、『世界の人々に商品やサービスを通じて「健康」をお届けすることによって、当社を取り巻くすべての人や社会を「Well-being」に導き、明日の世界を元気にすること』と定義しています。祖業である一般用医薬品を核に、医薬部外品、化粧品、健康食品、食品などの「セルフケア領域」、ならびに医療用医薬品や医療機器、細胞治療薬の開発、それに付随する CDMO 事業などの「プロフェッショナル領域」までをWell-beingな社会実現に貢献する事業スコープと位置づけます。「サイエンスベース」の企業体質(未知のものを解き明かそうという情熱)を強化し、長期的かつ持続的にお客様・患者様が満たされないニーズの解決を最優先に取り組むことで、パーパスの実現を目指してまいります。

    パーパス・経営理念

    世界の人々に商品やサービスを通じて健康をお届けすることによって、当社を取り巻くすべての人や社会を「Well-being」へと導き、明日の世界を元気にすること。

     

    経営理念

    1. 豊かで幸せな生活を送るための心身の健康に貢献し続けることがロートの最大の責務と
      捉え、その実現のために長期視点での経営と価値創出に努める
    2. ロートは、社会の公器としての使命を自覚し、ロートを取りまく全ての人達と協働して
      社会課題を解決し、これにより得られた便益を共有する

    定款 第一章 第二条

  2. 中長期戦略の概要

    次世代のロートサイエンスを磨き、セルフケアをコアに、プロフェッショナルケアへとWell-beingの輪を広げることを目指し、3つの課題に取り組んでいきます。

       

    1. 事業収益力の強化

        セルフケア事業をグローバルに展開し、アイケアやスキンケア分野で革新的な価値を提供します。また、ヘアケアやフェムケアといった新分野にも注力し、事業全体の拡大と収益性向上を図ります。

    2. 技術商品力の深化と拡充

        ロート独自のサイエンスを活かし、Well-beingなライフスタイルを提供していきます。Eu Yan Sang社(EYS)との連携やフィトサイエンス研究を通じて、植物由来の素材を活用した革新的なサプリメントの開発に取り組んでいきます。また、胃腸ケア製品の開発や、回復期の健康を支える予後ケア分野にも挑戦し、内服・食品事業を更に成長させ、より多くのお客様の日々の健康をサポートしていきます。

    3. メディカル事業の基盤構築

        ロートにとってメディカル事業は、「高品質」と「高機能」を活かした製品を、自社だけでなく他社様にも提供する、非常に重要な分野です。CDMO事業では、クオリテックファーマ社が取り組んでいる低分子・ケミカル分野からバイオや細胞加工分野への拡大を進めています。眼科領域では国内外のグループ会社間の連携を強化し、皮膚科では再生医療技術を活用した皮膚科向け化粧品開発に取り組んでいます。さらに、医療用眼科薬では近視抑制、再生医療分野では膝軟骨再生や肝硬変治療などに向けた新薬開発にも注力し、治療を待つ患者さんに希望を届けていきます。

    中長期成長戦略 基本方針

    ロートサイエンスを進化させ、セルフケアのコア事業の収益最大化。
    プロフェッショナルケアへの基盤を構築し、Well-beingの輪を広げ、未来を創造する。

     

    中長期成長戦略 基本方針

    財務目標

    3年後の2027年度に売上高3650億円、営業利益460億円を、6年後の2030年度には売上高4150億円、営業利益540億円の達成を見込んでおります。まずはコア事業であるアイケア・スキンケアの更なる成長に注力し、そして2024年度に買収したEu Yan Sang社とのシナジーを最大限に活かし、事業を拡大していきます。その次の3年間では、ヘアケアやフェムケアといった新分野の成長により、新たな市場をつくり出していくとともに、サプリメントや食品事業、さらに眼科・皮膚科向けのビジネスを拡大していく予定です。そして2030年度以降は、医療用眼科薬や再生医療の新薬が承認されることで、高収益を生み出す成長事業として、売上と利益の大きな柱になると期待しています。海外売上比率は2030年度に全体の53%に拡大すると見込んでいます。

    中長期成長戦略 連結業績予測

    中長期成長戦略 連結業績予測

    資本施策

    2030年までの6年間にわたり、キャッシュ創出力を一層強化するとともに、成長投資に積極的に取り組み、安定的な配当を通じて株主様への還元を継続してまいります。
    この6年間で稼ぐ営業キャッシュフローは研究開発費控除前で3,300億円を見込んでおります。必要に応じて適切な資金調達を行いながら、これらの資金を成長投資および株主還元に配分してまいります。
    まず現行の製造施設をはじめとするメンテナンスや改良、需要拡大に対応する海外生産設備の増強などの分野に向けられます設備投資に1000億円を見込んでいます。研究開発費には900億円を投資します。この金額は売上高の5%以内を目安としており、コアビジネスのさらなる加速・素材開発力やロートサイエンス力の強化・再生医療や医療用点眼など、次の成長の柱となる分野への投資などに向けられます。DX・IT投資には300億円を計画し、これにより、1人当たりの生産性を高め、効率的かつ強力な経営基盤を構築します。加えて、M&Aや出資には500億円を投下予定で、既存事業とのシナジー効果、新規分野への参入を図り、さらなる事業拡大を目指します。
    これらの事業活動を通じて得た剰余金を株主還元として配分します。安定的な増配を実現してまいります。

    資本政策 キャッシュアロケーション

    キャッシュの創出力を強化し、成長投資へ積極投下するとともに、
    安定的配当政策の継続による株主還元の実施。

     

    資本政策	キャッシュアロケーション (2025-2030の6年間)

    株主還元

    配当性向30%以上、DOE(株主資本配当率)3.5%以上を目標に掲げ、株主様に安定的な還元を提供していきます。当社の株主還元政策は、「安定」と「成長」の両立を基本方針としています。一時的な利益の変動に左右されることなく、長期的な視点に立った企業成長を支える投資を推進しながら、安定的かつ継続的な株主還元を実現していきます。

    株主還元の推移

    利益の増減に左右されず、継続的、安定的に増配。
    2025年度に配当性向を30%台に引き上げ、株主還元を強化。

     

    株主還元

     

     

    参考資料

    2025年5月13日リリース

    「ロートグループ中長期成長戦略 2025~2035」について

    長期視点での成長を実現するための経営方針を合わせてご覧ください。

     

    各セグメント別の戦略を記載したより詳細な説明資料については、以下を参照ください。

    ロートグループ 中長期成長戦略 2025-2035